こんにちは、新潟市の若手税理士の渡邉です。
独立開業するにあたり運転資金が必要だったため、日本政策金融公庫の創業融資(正式名称は新規開業・スタートアップ支援資金)を申し込みました。
私の体験を踏まえながら、申し込みの流れについて解説します。
インターネットで申し込みをしたため、今回は支店窓口での申し込みではなく、インターネットからの申し込みの流れとなります。
全体の流れ
インターネットから申し込みをする場合の流れは以下の通りです。

必要書類の準備
創業融資を申し込むと決めたら書類を準備するために必要書類を確認します。
公庫のホームページのインターネット申込の必要書類のご案内を確認して必要な書類を揃えていきます。
必要書類ですが、個人or法人で必要なものが異なり、また以前公庫の融資を利用したことがある場合は一部の書類を省略することができます。
必要な書類一覧
必要な書類は以下の通りです。今回は個人事業主を前提にしています。
- 1.創業計画書または企業概況書
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これから事業を開始する場合、または事業を開始して1年未満の場合は創業計画書を準備します。
事業開始後1年が経っている場合は企業概要書を準備します。 - 2.直近2期分の確定申告書
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青色申告決算書または収支内訳書を含みます。
税務申告が1期しか完了していない方は1期分のみ。※私の場合は開業間もないため、確定申告書の提出は不要でした
- 3.日本公庫電子契約サービス(国民生活事業)利用申込書
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融資の契約手続きをWeb上で行うために必要な申込書になります。
以前に提出したことがある場合などは提出不要です。 - 4.送金先の口座の預金通帳(表紙、見開き1ページ目)
- 5.代表者の本人確認書類
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以下のいずれかを準備します。
運転免許証(両面)、マイナンバーカード(表面のみ)またはパスポート(顔写真のページおよび現住所等の記載のあるページ)
以下は該当がある場合に提出する書類になります。
- 6.見積書
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設備資金を申し込む場合に、融資の使い道となる設備の見積書を準備します。
- 7.許認可証等
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飲食店などの許可・届出等が必要な事業の場合は準備します。
以上の書類を申し込みの際に添付して送信できるように、保存しておきます。
PDF形式での保存がおすすめです。
インターネット申込
先ほど必要書類を確認したページを開きます。
自身が該当するパターンの[詳細を開く・閉じる]をクリックして開きます。

下の方にある「書類の準備ができたのでインターネット申込へ進む」をクリックします。

お申込受付のページに移動するので、メールアドレス登録を行います。

登録したアドレスにメールが届きます。
そのメールに記載されているURLにアクセスをして、フォームを入力していきます。

フォームの入力が完了したら、書類提出画面に進みます。
そこで先ほど用意した必要書類を提出します。
最後に確認をして送信をすれば申し込み手続きは完了です。
担当者と面談
申し込み手続きが完了後、担当者から連絡があります。
面談の日程を調整して、当日の持ち物を確認します。
なお、公庫の担当者との面談ですが原則対面で行われるため、面談当日は指定された場所まで向かう必要があります。
どんなことを聞かれるのか
面談は主に創業計画書または企業概況書を確認しながら進んでいきます。
そのため当日は、担当者から指定されていなくても創業計画書・企業概況書をプリントアウトして持参するようにしましょう。
- 1.なぜこの事業を始めるのか(動機)
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創業の目的・動機について確認をされます。
過去の職務経験との結びつきについても質問があります。
開業税理士である私の場合は、独立を決意した経緯について話しました。
- 2.売上の見込みがあるか
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売上の見込みについては必ず確認をされます。
取り扱い商品・サービスは何か、単価、客層(販売ターゲット)、集客方法などについて説明できるようにしておきましょう。
売上の見込みの数字ですが、単価×客数で表すことで説得力が出ます。
- 3.資金使途と自己資金
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融資資金の使い道について説明ができるように準備をします。
チャックすべきポイントは、融資を受けたい金額が過大にならないように納得できるような使途を示すことです。
また、自己資金について、要件は緩和されましたが多少は用意することをおすすめします。
私は借入金額の6分の1の自己資金を準備して申し込みを行いました。
- 4.事業の見通しと返済計画
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月の売上、原価、経費について、根拠を示しながら説明をできるようにします。
売上が増えるにつれて増える経費と、売上が増えても一定の経費に分けて説明ができると良いです。
さらに、「売上-原価-経費-生活費-返済額=黒字」となるように数字を組み立てることで、無理のない返済計画を示すことができます。
結果の通知
面談後、公庫による審査が行われます。
書類内容や面談結果をもとに、事業の実現可能性や返済能力が評価されます。
通常は2週間程度で融資の可否が日本政策金融公庫の担当者から知らされますが、繁忙期や追加資料の提出があると延びることもあります。
入金
無事に審査に通過すると融資決定通知が送られてきます。
通知の中に入っている借用証書に署名・入金先の口座情報などを記入して返送します。
手続きに不備がなければ、通常1週間以内で入金されます。
まとめ
私の場合は、インターネット申込をしたのが6月5日で、入金があったのが7月18日でした。
どのくらいの日数がかかるのか、の参考にしていただければと思います。
日本政策金融公庫に直接行ったのは担当者の方との面談の1回だけで、あとは電話、ネット、郵送で手続きが進みました。
創業初期は他にもたくさんやらなければならないことがあるので、なるべく融資手続きの時間を短くしたいという方は、公庫の創業融資をインターネットで申し込むのがおすすめです。